埼玉屈指の心霊スポット「鎌北湖」にハイキングに行ってみた結果 → 謎の集落『ユガテ』に辿り着いた話

ゴールデンウィークが終わり早いもので1週間が経つ。皆さん大丈夫だろうか? 自分が連休中に何をしていたか覚えているだろうか? 私(あひるねこ)はというと、あまり遠出することはなかったのが、しいて挙げるなら埼玉県にある「鎌北湖(かまきたこ)」という湖にハイキングに行ってきた。

この名を聞いてピンとくる人もいるかもしれない。そう、実は鎌北湖とは、埼玉でも有名な心霊スポットの一つなのだ! と言っても、今回は別にそれ目的ではなく、純粋にハイキングをするために出掛けたのだが……。その道中で謎の集落に辿り着くなど、それなりにいろいろあったぞ。

・ハイキング

友人グループに誘われ行くことになった鎌北湖は、埼玉県入間郡毛呂山町にある。当日は西武池袋線東吾野(ひがしあがの)という、東京から約1時間ほどの小さな駅が我々のスタート地点となった。

東吾野駅は山に囲まれており、ぶっちゃけほぼ何もない場所である。が、よく見ると「熊に注意」というポスターが貼ってあって、駅舎では熊よけ鈴なるアイテムが売られていた。心霊云々の前に、熊に八つ裂きにされる可能性ワンチャンなくはないため、ここは鈴を購入しておくことを強くオススメしたい。

・山の中へ

のどかな風景を楽しみながら、福徳寺という寺院を通過し、いよいよ険しい山の中へ。とここで、不思議な案内板を発見する。

YUGATE……? ユガテ?

はて、一体何のことだろう? 聞き覚えのない言葉だ。しかし、そんな疑問は山に入った数秒後には消え去ることになる。おい、マジか……。マジでこの道を2時間歩くんか……! 何だろう、ハイキングっていうから平坦な道かと思ってたんだけど、違ったわ。木の根っこを足場にして進むタイプだわこれ。

・けっこうキツイ

「別に登山ってほどじゃないよ。まあまあだよ~」と聞かされていた私を含むグループ一行(40代多数)は、膝に抱えた爆弾をあやしながら なんとか山道を登っていく。ヤベーな、予想の数倍キチーな……と思いつつも、山特有の澄んだ空気は大変心地良く、私は何度も何度も深呼吸を繰り返した。

途中、人ひとりがギリギリ通れるような細い道や、足を滑らせると崖下に転げ落ちてしまいそうな危ない道を懸命に通過し、山の奥へ奥へと踏み入っていく我々。ところが……!

ある時なぜか、急に、いきなり景色が変化した。突如として、明らかに人工的な畑や花壇が姿を現したのだ。え? 死んだ? シームレスで冥土来た? 知らないうちに熊に八つ裂きにされてた?

・謎のエリア

自身の生死を疑いつつさらに進んで行くと、これまでの山道とは打って変わって開けた場所に辿り着いたではないか。一体どういうことだってばよ……。

むむ、看板があるので行ってみよう。恐る恐る近づくと、そこに書かれていたのはなんと……。

ユガテ……!

……そうか、ここがユガテか。ならせっかくなので、記念撮影でもしておきましょう。

ユガテに来た。

徒歩で来た。

・不思議なユガテ

そこはユガテという名の小さな集落だった。漢字だと、「湯ガ手」もしくは「湯ガ天」と書くようだ。昔この地域で湯が天に届くほど出ていたことからそう呼ばれているらしい(諸説あり)。付近には民家もいくつか建っており、何だか独特の雰囲気が漂っていた。

しばし休憩した後、先を急ぐ我々はユガテを通過し、再び山道へと入っていく。ユガテ……それはまるで、旅人を誘う白昼夢のような場所であった。

・ついに目的地へ

何やらすっかりユガテに話題を奪われた感があるが、忘れてはならない。本来の目的地は鎌北湖なのだ。さあ、そこからさらに歩くこと約1時間。いつの間にか車道と合流していることに気付く。いよいよだぞ、ゴクリ……ああ、見えてきた! あれが埼玉屈指の心霊スポット鎌北湖か……!!

・普通にキレイ

初めて見る鎌北湖は、思っていたよりも穏やかで美しい湖だった。湖面に映る樹々といい、四方を山に囲まれたロケーションといい、知る人ぞ知る名所といった趣がある。なんだなんだ、イイところじゃないか。よーーーし! 鎌北湖キターーーーーーッ!!

しばし湖のほとりを散策する我々。ここはヘラブナが釣れるようで、湖畔には釣り人やスワンボートに乗る観光客の姿も見られた……が。湖のほとりには「山水荘」という廃旅館がいまだ残っており、どうやらあそこ心霊スポットになっているらしい。

・ガチっぽい

バブルの遺産というやつなのだろう。昼間に見る分には推理小説に出てきそうな雰囲気で嫌いではないが、これが夜になったらたしかに怖そうである。たとえ “何か” が出たとしても決して不思議じゃないというか……。霊感がない私でも、心霊スポットとしてのオーラを多少なりとも感じ取ることができたように思う。

また、付近には「鎌北湖レイクビューホステル」というホテルもあり、こちらも同じく閉業しているようだった。建物自体はレトロカッコよく、廃墟好きの人には好まれそうな感じなのだが……さすがに夜中に入っていく勇気はないかなぁ。

・一休みからの出発

とはいえ、心霊スポット感があるのはそれくらいで、あとは平和そのものだった鎌北湖。近くの軽食屋に入った我々は、世界一ウマいビールで旅の疲れを癒しながら、帰り道への英気を十分に養う。え? そうですよ? まだ帰りがあるのです。また2時間かけて歩いて帰るのです……!

「わざわざ何しに行ったんだ?」と思う人もいるかもしれないが、いいのだ。普段デスクワークばかりしていると、自然と触れ合う機会なんてめったにない。だからこうして、たまにハイキングに出掛けると体がスッキリするのだよ。ビールもウマいしね。いいよ! 鎌北湖ハイキング

・最後に

埼玉屈指の心霊スポットと名高い鎌北湖。しかしその実体は、静かでキレイな湖に他ならなかった。道中に辿り着いた集落・ユガテもまた、連休の良き思い出の一つだ。怖い! と思うことは特になかったので、興味を持った方は足を運んでみてはいかがだろうか?

ちなみに……。

これはまったくの余談だが、帰りに所沢でタクシーに乗った際、運転手のおっちゃん「鎌北湖はマジでヤバイ」と呟いていたのは内緒である。

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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(出典 news.nicovideo.jp)


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