連続ドラマとして放送される前の単発ドラマ時代を含めると、19年という長きにわたって続く『相棒』。2000年から放送されている本シリーズはすでに今年でシーズン17を迎える、国民的大ヒットドラマだ。

 警視庁内の窓際部署「特命係」に所属している水谷豊演じる杉下右京が、同じ部署の相棒とともに事件を解決していく本ドラマseason1~7までは相棒役を寺脇康文が、season8~10までは及川光博が、season11~13までは成宮寛貴が、season14以降は反町隆史が演じており、右京の強烈で愛されるキャラクターはもちろん、その右腕の存在となっている各相棒の魅力もヒットの要因となっている。

 AbemaTVでは、今年の元旦に立ち上げた【相棒チャンネル】をGWの期間に再びオープン!そして【相棒チャンネル】復活を記念して『相棒』ファン1万人による大規模アンケートを実施、Season1、8、11、14の4シーズンのなかから「もう1度見たい『相棒』のあの回」を選んでもらい、GW期間中はその厳選された人気の回を放送する。

『相棒』ファンが “もう一度見たい10作品”

Season1、8、11、14の4シーズンの中より選出
season1より順次紹介


1、『相棒 season1』より第7話「殺しのカクテル

おススメポイント
 刑事ドラマといえば、事件発生とその解決へのプロセスが見どころで、捜査や追跡が派手になりがちだ。ところが、相棒シリーズで人気の高いエピソードでは、物語が静かに進むものが少なくない。その代表的な人気エピソードのひとつが「殺しのカクテル」だろう。

 激しく喜怒哀楽を見せたり、わかりやすく長々と恨みを告白したりするような場面はない。しかし、口数少なくカクテルを作り続けるバーテンダー・三好の静かなたたずまいが、彼が人生でもっとも大切にしているものをないがしろにされた怒りによって、人を殺すに至ったのだと、見る者を納得させる。このエピソードを見たい回に選んだアンケート結果をみると「自分の罪を逃れるよりも客の思い出を大切にする"プロのバーテンダーを見事に表現した蟹江敬三さんの名演技が素晴らしい」と、静かな物語だからこそ堪能出来る名優の演技に対する反響が多い。



2、『相棒 season1』より第10話「最後の灯り」

おススメポイント
 長い人気が続く物語が持つ特徴のひとつに、登場人物同士の関係性を視聴者(読者)が楽しめるという側面がある。相棒シリーズの場合はもちろん、杉下右京とその相棒、第1シーズンでは亀山薫との関係性が、犬猿の仲で始まり徐々に信頼し合ってゆく過程が愛されたことが、今に続くシリーズの人気につながっている。

 「最後の灯り」は、どうやらどこかで二人そろって襲われ、海岸に置き去りにされた場面から始まる。仲が悪い二人なのに、どうやって窮地を脱出するのか? 回想という形で事件の発生から捜査を思い返しながら、なんとかして二人は帰ろうとするが、右京は足をケガしていて歩けない。とりあえず一人だけでも先に戻るのかと思われた亀山は、右京をおんぶして歩き出す。事件はきちんと解決されるのだが、そんなことより、右京と亀山の関係性が「相棒」らしく変化していくのを堪能することに夢中になれるエピソードだ。



3、『相棒 season1』より第12話「特命係、最後の事件」
 

おススメポイント
 エリートで、変人ではあるものの、能力の高さは誰もが認める杉下右京は、なぜ「人財の墓場」と呼ばれる超窓際部署に押し込められているのか? 「相棒」シリーズ誕生当初からの、大きな謎のひとつが明かされるシーズン1最終話は、それでも警察官を辞めない右京の信念と、亀山が「相棒」として本格的に覚醒する重要なエピソードでもある。

 権力のもとでは、法律も常識も曲げられ、強い者におもねる風潮が強い中、右京は「まだ事件は終わっていない」と真相究明を止めない。大人ならば、ほどほどにするものだと言われても「もしも限界があるとするならば、それは諦めた瞬間でしょう」と曲げない右京によって、真実が徐々に明らかになる。相棒二人の絆が強まり、覚悟が定まる様子と同時に、結果としてそれを促すことになった故・長門裕之が演じる北条晴臣の無邪気さも見える傍若無人な悪人ぶりも見応えがある。



4、『相棒 season8』より第3話「ミス・グリーンの秘密」
 

おススメポイント
 シーズン8から新しく右京の相棒となった神部尊は、以前の相棒である亀山と異なり、右京を監視するために送り込まれたスパイとして特命係にやってきた。そして、クールで気障に決めたがる性格もあって、何事にも感情移入はしないという態度をとり続けてきた。

 ところが、そのスタンスは、どうやら本音ではないらしいことがミス・グリーンこと緑との交流で明らかになる。そのギャップに心を揺り動かされた視聴者は少なくないようで、アンケートでも、物語終盤の場面について「神戸みずからが盾になり、狙撃班から老婦人を守り、熱く語りかけるシーンが泣ける」との回答が多く見られた。



5、『相棒 season8』より第10話「特命係、西へ!死体が握っていた数字と、消えた幻の茶器の謎...東京~京都・連続殺人と420年前の千利休の死の秘密が繋がる!?」
 

おススメポイント
 2010年の元日スペシャルとして放送されたシーズン8の第10話は、シリーズ初の京都ロケ。京都が舞台で2時間超の刑事ドラマとなれば、お約束の展開なのかといえば、そこは相棒なので一筋縄ではいかない。

 現代の殺人事件と、豊臣秀吉と千利休の確執の歴史が、繋がりがあるかのように事件の謎解きがすすめられてゆく。あれ? 歴史ミステリーだったっけ? と不思議な気分にさせられるのだが、右京さんワクワクしながら戦国大名たちの関係性や権力争いと茶の湯の関係など「気になること」を調べているので、視聴者も面白く見られるから不思議だ。ドラマには京都の様々な場所が登場するが、ロケ地を巡る聖地巡礼をするファンも少なくないとか。



6、『相棒 season11』より第6話「交番巡査・甲斐享
 

おススメポイント
 シーズン11から新しく特命係に加わった甲斐享は、歴代で唯一、最初から右京が“認めている”相棒だった。それは、享が警察官として有能だからというよりも、大人の事情にまだ毒されず「人としての基本ができている」と見込んだからでもある。

 だが、未熟な享は、事件に向かい合った時に感情移入しすぎて、真相究明から遠ざかってしまうことがあった。そんな享を右京が叱咤激励する。「人が人を殺すんですよ。そのような事件で私情を挟む事は決して許されません。思い入れは犯人を見誤ります」――。犯人を捕まえるためには冷酷にも残酷にもなる必要があるのだと、揺るぎない右京の信念が吐露される。相棒シリーズにおいて、しばしばこうして表出する右京の「正義」は、正義がちゃんと通用する世の中であってほしいという、私達のぼんやりとした願望を言葉にしてくれているかのようでもある。



7、『相棒 season11』より第18話「BIRTHDAY
 

おススメポイント
 バラバラに発生したと思われていた別々の事件や不自然な出来事が、一つにつながって真相が明らかになる快感が視聴者に与えられるザ・ミステリーとも言えるエピソードだ。

 本当にエピソード一回ぶんで回収出来るのか? と不安になるほどバラバラな謎がたたみかけられるが、真っ白ジグソーパズルがキレイに額縁におさまるように、きれいにまとまる終盤は圧巻。そして、12歳誕生日をその日に迎えていた隼人(ちょうど12歳だった加藤清史郎)が残した遺留品が謎を深める役割も担っていたのだが、彼が書いた手紙によって、最後に残った謎の理由も明かされる。子役の名演技を堪能出来るエピソードにもなっている。



8、『相棒 season14』より第8話「最終回の奇跡」
 

おススメポイント
 殺人の疑いをかけられた漫画家の大ファンである米沢が、疑いを晴らしたくて特命係に捜査を依頼、たまたま話を聞いた亘は、右京抜きで事件の捜査を始めたものの、壁にぶつかり右京が加わった。シーズン14で特命係にやってきた冠城亘は、法務省から警視庁に出向し、そのまま居座っている異色のエリートだ。

 もちろん冠城は、基本的に能力が高いので普通の事件ならば何の問題もない。だが、天才かつ異能の人の頭脳から生み落とされた犯罪のからくりは、やはり右京でないと真実にたどりつけないのだとラストで思い知らされるのだった。やっぱり右京さんでなければ、あの人が犯人だなんてわからない!



9、『相棒 season14』より第13話「伊丹刑事の失職」
 

おススメポイント
 相棒シリーズファンに大人気の、捜査一課刑事の“イタミン”こと伊丹憲一テレビでの放送時、次週予告で「失職」という文字が出た途端、相棒ファンからは「イタミンいなくいなったら相棒じゃない!」との悲鳴まであがったほどの人気者だ。

 その彼が失職(といっても警察官は続けられる。免許センターだれども)の危機にさらされた事件がメインテーマとなったこのエピソードでは、犬猿の仲の特命係とともに、真相究明に奔走する姿が見られる。右京さんに頭を下げるなんて、イタミンの刑事という仕事への執着はすごいのだなと驚かされつつ、無事解決するわけだが、右京さんストレートに「ありがとう」を言わないラストも、イタミンらしくて最高。一時的に協力関係を結んだとしても、特命係とイタミンは、決して馴れ合わないのだった。



10、『相棒 season14』より最終回ラストケース
 

おススメポイント
 第14シーズン最終回2時間スペシャルとして放送されたエピソードでは、連続ドラマになる以前から特命係の協力者だった鑑識の米沢守六角精児)が、レギュラー出演者としては最後の出演になったエピソードだ。「ラストケース(最後の事件)」というタイトルから、当初ファンの間では、いったい誰にとっての最後の事件なのか? という話題でもちきり。警視庁への出向が終わりそうな亘か? という憶測もとんだが、特命係には欠かせない“友人”である米沢の最後の事件だった。

 米沢がラストならば、落語や鉄道など彼のオタク趣味が全開のエピソードになるのかと思いきや、なんと米沢が鑑識係から異動する予定の新しい職場、警察学校が発端のテロ事件という重いテーマ。「立派なテロなどこの世にはない!」と叫ぶ右京の正義感が表出され、重苦しいままおわるのかと見つづけると……米沢らしい軽妙なしめくくりも待っていて、レギュラー出演ではなくなっても、米沢さんはずっと相棒の仲間だと思わせてくれる。



 『相棒』は、AbemaTVにて4月27日から5月6日までのゴールデンウィーク期間中は毎日よる11時より、『相棒ファンが選ぶ相棒ファン1万人が選ぶもう一度見たい10作品』を放送。

■放送スケジュール
4月27日
(土)よる11時より~『交番巡査・甲斐享』(「相棒 season11」第6話)
4月28日
(日)よる11時より~『殺しのカクテル』(「相棒 season1」第7話)
4月29日
(月)よる11時より~『特命係、西へ!死体が握って...』(「相棒 season8」第10話)
4月30日
(火)よる11時より~『最後の灯り』(「相棒 season1」第10話)
5月01日
(水)よる11時より~『ミス・グリーンの秘密』(「相棒 season8」第3話)
5月02日
(木)よる11時より~『最終回の奇跡』(「相棒 season14」第8話)
5月03日
(金)よる11時より~『伊丹刑事の失職』(「相棒 season14」第13話)
5月04日
(土)よる11時より~『ラストケース』(「相棒 season14」最終回)
5月05日
(日)よる11時より~『BIRTHDAY』(「相棒 season11」第18話)
5月06日
(月)よる11時より~『特命係、最後の事件』(「相棒 season1」第12話)



アンケート調査概要
調査委託先:株式会社マクロミル
回答者:<ドラマ相棒>ファン 15-69歳の男女10000
調査期間:2019年4月5日4月7日
調査手法:インターネット調査

MRXJ2J/A



(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>


ボーダーラインが入ってないのが意外。酷い鬱回だけど、あれはシリーズ屈指の良エピソードだと思う。


ボーダーラインは生々しい脚本と犯人の熱演もあいまっていまだに忘れられない


ボーダーラインは確かに名作だがもう一度見たいとは思えないな・・・身につまされる


叙述好きな自分的には、やっぱ(元?)オセロ中島さんが主婦役で旦那を*、そこに何故かひょっこり匿名の2人が~(バレ回避)って不思議回が好きだったな。まあ内容というかオチは叙述トリック描写のテンプレっちゃテンプレだが。ああいう回もっと増えてほしい。


密やかな連続殺人、かな。あの不気味さは他のサスペンスシリーズとかと比べても類がないくらい凄い。ウェンパティオ〜、ウェンパティオ〜


ボーダーラインは社会風刺の典型だし、衝撃的だった。今度は、上級市民の件をやって欲しいが、過去に似たようなのありそうだな。


個人的にはクイズ王がすきだったなぁ。字の癖っていう人間が誰もが持っているもので犯人を推理するっていうのが面白かった


悪魔崇拝のやつは印象に残る。高橋一生出てたな~