日本テレビ『あなたの番です』

 4月14日よりスタートしたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)。このドラマの企画・原案を担当しているのは秋元康だ。

 初回を見てまず思ったのは「秋元康らしいネタだな」ということ。ドラマホームページには過激な文言が躍っている。

「とあるマンションに引っ越してきた一組の新婚夫婦。(中略)マンションの周囲で次々と人が死んでいく…!」

 秋元氏に対する色眼鏡だろうか。一体、何をすれば世にウケるのか? という山っ気が透けて見えてくる気がする。

そもそも原田知世と田中圭の夫婦が怪しい

 本作は、手塚菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)の新婚夫婦が、購入した引っ越し先のマンションで、住民同士の“交換殺人ゲーム”に巻き込まれていくというストーリー。毎週1人が死ぬという。

 言ってしまうと、そもそも主役の2人が怪しかった。

 まず、田中の芝居である。あまりにも『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のはるたんだった。いや、はるたんより過剰に見える。わざととしか思えないほどあざとい。率先してかわいいと思われようとしている。翔太が、このままぶりっ子で終わるとは思えない。あのセルフパロディっぷりは、何かを隠すためな気がする。裏があると勘繰ってしまう。

 菜奈と翔太は15歳違いの年の差夫婦だ。この設定も臭う。なぜ、そんな夫婦にする必要があったのか。しかもこの夫婦、マンションを購入しているのに、まだ婚姻届を出していない。菜奈が何かと理由をつけ、提出を渋っているのだ。マンションの住人は全員が一癖あるが、この夫婦だってどこか不穏だ。菜奈は翔太に打ち明けていた。

「翔太君の存在を出会ったときよりもどんどん近くに感じてて。でも、年の差だけは埋まらないじゃない? これからもず~っと、15年分埋まらない事実があるっていうのが、何か怖い」

 うがった見方をすれば、これだけで殺人の動機になり得る。翔太が菜奈を殺せば、年の差が縮んでいくからだ。ほかにも、いくらでも勘繰ることができる。それこそ引っ越しの最中に翔太が菜奈のパズルを誤ってバラバラにしたくだりだって、菜奈が翔太を殺す動機になる。

 でも、本当にこの夫婦が殺意を抱き合っていたら、視聴者からは「やっぱり」なんて声が上がるに違いない。イージーだ。そんなわかりやすい予想を立てていると、「秋元康の罠にハマッているんじゃないか?」と不安になったりもする。……なんか、“vs秋元康”みたいなコンセプトドラマに思えてきた。

 今作はミステリーだ。さて、初回ではどんな伏線が張られただろう?

 このドラマ、すべての人の言動が意味ありげに作られており、伏線らしきシーンはメチャクチャある。その中でも主だったものを以下に列挙したいと思う。

・引っ越しの最中に翔太が菜奈のパズルを壊した。

・現状確認で手塚夫婦の部屋に上がった管理人・床島比呂志(竹中直人)が、天井を指し「気色の悪いシミが2つある」と指摘した。

・菜奈を無視して翔太にばかり話しかけていた301号室の尾野幹葉(奈緒)。

・佐野豪(安藤政信)が履いていた長靴。

・黒島沙和(西野七瀬)が胸に貼っていた湿布。

・住民会での久住譲(袴田吉彦)の発言「殺したい人は知り合いじゃない」。

・住民会で“殺したい人”を書く際、わざわざ田宮淳一郎(生瀬勝久)からボールペンを借りた赤池美里(峯村リエ)。

・菜奈が引いた紙に書いてあった「こうのたかふみ」という人名。

・マンションのゴミ捨て場にひどい状態で捨てられていたクマのぬいぐるみ

・菜奈を尾行していた細川朝男(野間口徹)。

サングラスマスクで顔を隠し、マンションから出て行った久住。

・倒れたままにしてあった車椅子。ちなみに、赤池幸子(大方斐紗子)は車椅子生活。

 振り返ると、異常なほどの怪しいキャラ祭りである。あと、初回から登場人物が多すぎて全然覚えきれない。「面白い」とか「つまらない」とか感想を抱けるほど、まだ作品の輪郭がつかめないのが事実だ。

低視聴率でも半年間続けなければならない

 初回では管理人の床島が殺害された。当然、マンションには警察の捜査が入る。このドラマは2クールあると予告されている。警察が入るのに、2クールもの長期にわたって連続殺人が行われるというのか? 正直、リアリティという面で心配になる。ミステリードラマにとってリアリティは、クオリティと直結すると言っても過言ではない。

『あなたの番です』の初回視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。もちろん、作品への評価を下すのはまだ早い。でも、今のような低調が続いたとして、それでも2クール引っ張るというのか?

 そういえば、前期に同枠で放送されていたドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』の最終回の視聴率は15.4%だった。繰り返すが、このドラマは2クールある。半年だ。

(文=寺西ジャジューカ)




(出典 news.nicovideo.jp)


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